心を回復させよう

こんにちは。前回に引き続き和田です<m(__)m>

今回は、前回もお伝えしたレジリエンスを高めるための方法について、また違った方法をご紹介していきます。(レジリエンスについては前回コラムをご覧ください)

前回のコラムでは、レジリエンスの力を高めるために最初に大切になってくるのは、“ネガティブ感情の悪循環から抜け出すこと”だとお伝えしました。

ネガティブ感情の悪循環から抜け出すことができたら、次は困難を乗り越えて元の心の状態に回復していくという過程が大切になってきます。

心が元の状態に回復していくためには、感謝の気持ちを高めることが有効だとされています。

感謝の気持ちが高まると、人とのつながりを感じやすくなって心が落ち着いたり、普段は当たり前で気づかなかったささいな幸福に気づきやすくなって、大変な状況と距離を置くことができ、心がダメージを受ける前のフラットな状態に回復することが期待されます。

感謝の気持ちを高めるのに有効な方法として、感謝の日記をつけてみるという方法があります。

やり方はとっても簡単です。

一日の落ち着いて振り返られる時間(寝る前など自分が落ち着くちょっとした時間で構いません)に、その日あった幸運や、触れた優しさ、体験した良かった瞬間などについて、思いつくままに書いてみるだけです。

なかなか思いつかなければ、最初は友人や家族、恋人などの自分が愛する人々のことを書いてももちろんいいです。慣れてきたら、出来ればなるべく具体的にどんな小さなことでも感謝したいと思える対象を探して書いてみると、今まで気づかなかった幸せに気づきやすくなって、感謝の気持ちが高まりやすくなると思います。

ただ、そうは言っても本当に大変な状況のときには、「感謝なんて言ってられない、そんなこと探す余裕ない」と追い詰められてしまうことも、当然あると思います。そんなときも見つけられない自分を決して責めないでくださいね。

前回のブログでも書いたように、人間にはネガティブな刺激に注意が向きやすいというネガティビティバイアスという注意の特性があるので、大変な状況のときこそ、自分の周りに本当はある幸福には気づきにくくなってしまうのです。

大変な状況の時に感謝の気持ちを高めることを見つけられなかったら、「今はネガティビティバイアスにはまっているんだ」と心の中で唱えて、無理に探そうとせずに少し距離を置いてみてもいいと思います。

その間に気持ちが落ち着く自分の好きなリフレッシュ法を試してみることをお勧めします。(アロマ、入浴、散歩、お菓子を食べる、好きなDVDを観る等・・・)

そうして、少し気分が落ち着いてから、もう一度感謝の日記をつけることを試してみると、案外書くことが思い浮かんでくると思います。

例えば、

こうして生きていられる家がある

今日行ったあの美味しいお店の、料理を作ってくれた人、食材を作ってくれた人のこと

それを支えてくれている自然の美しさ

etc…

最初は難しいかもしれませんが、焦らず、ゆっくりと見つけていく姿勢で大丈夫です。継続的に探していけば、どんな小さなことにもつながりを感じ、感謝の気持ちを見出しやすくなると思いますので、ちょっとした時間にやってみてはいかがでしょう?

ネガティブ感情の悪循環から抜け出そう

こんにちは。

ストレスケアセンターふようの和田です。

このコラムでは、お読みくださった方が少しでも自分らしくお仕事出来るヒントをお伝えしていきたいと思います。「ふ~ん、こんな方法もあるのか」と、お気軽に読んで頂ければと思います。

皆さん、レジリエンスという言葉を聞いたことはありますか?

レジリエンスとは、簡単に言うと

ストレスフルな状況に遭遇したとしても、その状況に柔軟に適応しながら生きていくための原動力』のことです

これからの時代、少子高齢化によって労働力人口が減少したり、技術革新やグローバル化によって価値観や働き方の多様化が進んだりと、変化の多いことが予測されています。

変化は良い転換をもたらすことももちろんありますが、そこに適応するまでには大変な労力を必要としますよね。そんな状況ではストレスもまた高くなることが予測されるのです。

でも、誰だって自分の人生を自分らしく生きたいと思っていると思います。ただ時代に流されてしまうだけなんて嫌ですよね。そんな変化の多い時代だからこそ、ストレスフルな状況に柔軟に適応して生きていくためのレジリエンスという力は、自分らしく生きるために大切な力として近年注目されているのです。

今回は、このレジリエンスの力を高めるための具体的な方法について少しご紹介します。

まず、レジリエンスを高めるために一番最初に大切になってくるのが、ネガティブ感情から抜け出すことです。

私たちはストレスフルな状況に遭遇すると、不安や心配などのネガティブな感情が生じます。でも、そうしたネガティブ感情にいつまでも捉われていては、体調も崩しやすくなり、行動もぎこちなくなりやすいため、状況に柔軟に対処できずに事態はさらに悪化してしまいまねません。

まずは、この“ネガティブな感情の悪循環からなるべく早く脱出すること”が、ストレス状況に適応していくためには大切になってきます。

その方法としてマインドフルネスという心の姿勢が参考になるので、少しご紹介しますね。

マインドフルネスは欧米の企業での取り組みから始まり、日本でも企業研修に導入されるなど、もはや流行しているような感さえありますが、皆さんもどこかで一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?。

マインドフルネスはいろんな説明の仕方がありますが、端的に言うなら

『今この瞬間に心に生じた感情や考えなどの体験に価値判断や評価を挟まずに、ただあると気づく心の姿勢』

のことです。

怒りや不安などの不快な感情を避けたり抑圧しようとすると、益々それらに意識が向かってしまい、感情から抜け出せなくなってしまったことはありませんか?

避ければ避けるほど逃れられなくなるなんて皮肉ですよね。でも、なんでそうなってしまうのでしょう?

それは、人間にはもともとネガティブな刺激に注意が向きやすい“ネガティビティバイアス”という注意の特性が備わっていることが影響しています。。

ネガティビティバイアスが適度に行われるなら、生きていく上でネガティブな状況(自分に対して攻撃的な人や、自分にとって不利な状況など)に事前に備えて、自分の心身の安全や財産の保全などを図ることも出来るので、とても有効です。

ただ、ネガティビティバイアスは、ネガティブな状況を避けようとすればするほど、強まってしまいやすいです。

冒頭で触れたように、「怒りや不安などの不快な感情を避けたり抑圧しようとすると、益々それらに注意が向かってしまい、ネガティブな感情から抜け出せなくなってしまう」というのもそのためです。

例えば「シロクマについて絶対に考えないでね」と念を押された上で、シロクマのことを考えないでいられますか?頭の中はシロクマのことでいっぱいになってしまうかと思います。それと同じ原理ですね。

でも、本来はどんな感情も時間とともに必ず変化していくものです。

例えば、怒りの感情のピークは6秒とされており、6秒を過ぎれば徐々に鎮まると言われています。ずっと怒り続けていては生体内部の恒常性が保たれず、心身が持たないからです。

確かにネガティブな感情が生じた時は辛いですが、その感情を避けたり抑圧しようとせず、ただあると認めてあげさえできれば、時間とともに必ず鎮まります。だからこそ、まずはネガティブな感情が生じたときに、それがあるとただ気づきありのままに受け止めるマインドフルネスという心の姿勢は、時間とともにその感情を手放すことを助けてしてくれるのです。

でも、言うは易し行うは難しで、マインドフルな心の姿勢はいくら頭で考えていても決して身につきません。練習することで少しずつ出来るようになってくるものです。

最近は、マインドフルな心の姿勢を身に付けるために色々な方法が開発されていますが、以下のような呼吸と瞑想を利用した方法は基本的なものとして、多く紹介されています。

以下の手順はあくまで参考ですが、「あ、いまネガティブな感情から抜け出せなくなっているな」と気づいたときに、是非試してみてくださいね。

(熊野宏昭(著) 「実践!マインドフルネス」に一部追記)

背筋がすっと伸びて、その他の身体の力はすべて抜けている姿勢をとる。

呼吸に伴う身体の動きに静かに注意を向ける。

呼吸は「ゆったりと」くらいにして、なるべくコントロールしない。お腹や胸のあたりの動きに注意を向け、「ふくらみ、ふくらみ」「ちぢみ、ちぢみ」と、感覚をそのまま感じ取る。

雑念、五感、感情などに引き込まれていることに気づいたら、ラベリングをしてそっと呼吸の感覚に戻ることを繰り返す。(※ラベリング:今自分の心の中に生じた体験について具体的に言語化する方法。例えば怒りが生じたら、「怒り、怒り」等と唱える。

さらに注意をパノラマ的に広げて、気づきの対象になる私的・公的出来事のすべてを同時に捉え続けるようにする。呼吸をコントロールしないことが特徴で、雑念や感情などが出てきたことに気づいたら、「雑念」「怒り、怒り」等と心の中でラベリングし、つぎに「戻ります」と心の中で自分に声をかけて、切り上げる。